H25年 汚水処理特論 問8 問題と解説

イオン交換に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. イオン交換樹脂は微量の重金属イオンの除去に用いることはできない。
  2. イオン交換樹脂の再生には、強酸、強アルカリ、または食塩の濃厚溶液が使用される。
  3. 第三級アミンが活性基として導入されたイオン交換樹脂は強塩基性である。
  4. イオンとイオン交換体の交換基との反応はファンデルワールス力による物理吸着である。
  5. 破過点まで吸着できるイオン量を全イオン交換容量と呼ぶ。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

(1)について、イオン交換樹脂の大きな目的のひとつが「微量の重金属イオンの除去」です。純水製造装置などでは軽金属を対象にしていますが、汚水処理などでは重金属を対象にします。

(3)で、アミンは塩基性に違いありませんが、主には弱塩基性、せいぜい中程度の塩基性です。

(4)で、ファンデルワールス力は極性の少ない分子同士の結合として重要です。イオンのように極性を持つもの同士の場合、イオン結合による化学吸着によってイオン交換が起こります。

(5)は全イオン交換容量は、「破過点まで吸着できるイオン量」ではなく、「イオン交換でき得る交換基の数」です。破過点について、ある条件で通水していて一定時間を超えると、急に処理水濃度が原水濃度に近づいてしまうことがあります。これは充塡層が吸着飽和に達し、効果を発揮しなくなったためで、この飽和に達した点のことを破過点といいます。

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