H25年 汚水処理特論 問6 問題と解説

ある金属Mは、水中でA、Bの2つの異なるイオンで存在し、それぞれのイオンの溶解度はpHの関数として、下図のようになるとする。この図の説明として誤っているものはどれか。

  1. この金属Mが両性金属であるとは言えない。
  2. イオンAはM(OH)2、イオンBはM(OH)3の沈殿を作ると考えられる。
  3. pHが7付近では、金属MがイオンAの場合には水にほとんど溶けないが、イオンBでは水によく溶ける。
  4. この金属Mは、イオンA、Bのどちらの場合でもpHが高くなるほど水に溶けにくくなる。
  5. 水処理の方法として、イオンBをイオンAに変化させた後に、水酸化物沈殿させる方法が考えられる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

この問題の「ある金属」とは、鉄のことです。鉄には2価のイオンと3価のイオンのときの、溶解度とpHの関係が大きく違います。上図のAは3価の鉄イオンに対応し、Bは2価の鉄イオンに対応しています。

よって、(2)の記述は逆になります。下図に、代表的な金属について、それらの溶解度とpHの関係を示します。大雑把な傾向を把握しておくと便利かもしれません。

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