H22年 大気特論 問8 問題と解説

石灰スラリー吸収法に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

(1)別置き酸化塔方式の脱硫プロセスにおいて、(2)吸収塔ではCaCO3スラリーはSO2を吸収して、主にCaSO3を生成する。スラリーのpHを高くすると脱硫率は(3)高くなるが、CaSO3の溶解度が著しく(4)低下し、スケーリングの原因となる。高脱硫率の維持及びスケーリング防止の両面から、スラリーのpHは(5)4程度に調整される。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

スラリーのpHは6程度の中性~弱酸性にしておくと、高脱硫率を維持したままスケーリングを防止でき、石こうの純度が高くなります。

スラリーのpHがあまり酸性側に寄り過ぎると、CaCO3スラリーがSO2を吸収してCaSO3・1/2H2Oとなる以下の反応が進行しづらく、脱硫率が低下します。

一方、塩基性側に寄るほど脱硫率は上がるものの、CaSO3・1/2H2Oの溶解度が下がって析出してしまうため、スケールが発生しやすくなります。そのため、過剰の吸収剤が必要となり、石こうの純度が低下します。

これらの兼ね合いを考えると、ちょうど良いpHは大体6程度となるので、(5)の「4程度」が誤りで、正しくは「6程度」となります。

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