H22年 汚水処理特論 問5 問題と解説

APIオイルセパレーターにおいて、直径が0.010cm、密度が0.90g/cm3の油滴の上昇速度は0.054cm/sである。直径が0.020cm、密度が0.80g/cm3の油滴の上昇速度(cm/s)に最も近いものはどれか。ただし、水の密度及び粘度は、それぞれ1.0g/cm3及び0.01g・cm-1・s-1とする。

  1. 0.014
  2. 0.018
  3. 0.11
  4. 0.22
  5. 0.43

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

粒子の沈降速度を求める式にストークスの式がありますが、これは油滴の上昇速度を求める際も同様に使えます(粒子は水より重いので沈み、油滴は水より軽いので浮かぶというだけで、分離という現象に違いはないからです)。

ストークスの式は以下の通りとなります。

  • v:沈降速度(ここが負の場合には上昇速度)
  • d:粒子径
  • ρ:粒子の密度
  • ρ0:液体の密度
  • g:重力加速度
  • η:液体の粘性

上式の各パラメータに問題文の数値を代入していきます。

  • d:粒子径→0.020[cm]
  • ρ:粒子の密度→0.80[g/cm3]
  • ρ0:液体の密度→1.0[g/cm3]
  • g:重力加速度→980[cm/s2]
  • η:液体の粘性→0.01[g・cm-1・s-1]

を代入して計算すると、v=-0.436[cm/s]となります。

この式はもともと沈降速度の式ですが、沈降速度が負ということは、沈降の逆、つまり上昇速度を表していることになります。

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