H22年 公害総論 問7 問題と解説

成層圏オゾンに関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 成層圏の酸素分子は紫外線を吸収して酸素原子に解離し、オゾンを生成する。
  2. 成層圏のオゾンは320nm以下の紫外線を吸収すると、分解して酸素分子になる。
  3. 成層圏のオゾンは塩素原子、臭素原子などにより連鎖的に分解される。
  4. 大気中に放出されたクロロフルオロカーボン類(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン類(HCFC)やハロンは、成層圏で紫外線により分解されて塩素原子や臭素原子を放出する。
  5. 国際的な規制が段階的に進められた結果、CFC、HCFCやハロンの大気中濃度は減少傾向にある。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

CFCとHCFCは選択肢(4)にあるとおり、それぞれクロロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類を指します。CFCがいわゆるフロンといわれるもので、最初に登場するものです。これがオゾン層破壊につながるとわかったので用いられるようになったのがHCFCで、いわゆる代替フロンといわれるものです。

しかし、HCFCも少しはオゾン層を破壊するので、現在ではオゾン層破壊物質でないHFC(ハイドロフルオロカーボン)がさらなる代替フロンとして用いられています。

CFCもHCFCもハロンも規制が進められてはいますが、まだまだ大気中濃度が減少傾向とはいえません。ただし、CFC-11やCFC-12、CFC-113、Halon-1211などは減少傾向となりつつあるので、CFCとハロンはそろそろ減少傾向といえる時期かもしれません。

HCFCは今後数十年のうちにピークとなり、その後は減少傾向に転じると考えられています。一方、HFCは増加傾向にあります。これはオゾン層を破壊しないというメリットがある一方、強力な温室効果ガスである点が課題になっています。

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