問 題
生態系モデルにおける植物プランクトンに関する記述として、誤っているものはどれか。
- 植物プランクトンの最大可能増殖速度は、水温の関数によって表現されている。
- 植物プランクトンによる窒素や、りんの摂取については、ミハエリス-メンテンの式で記述される場合が多い。
- 植物プランクトンの光合成-光応答の式では、強光阻害の影響を導入するために、最適光量というパラメータが使われている。
- 植物プランクトンの増殖速度は、最大可能増殖速度、光の制限項、栄養塩制限項の和として計算する。
- 水中の光強度はランバート・ベールの法則に従う。
正解 (4)
解 説
(4)に関して、植物プランクトンの増殖速度は、最大可能増殖速度(ポテンシャル増殖速度)、光の制限項(LTLIM)、栄養塩制限項の積として計算します。
よって、(4)の「和」が誤りで、正しくは「積」となります。
この設問は、知識を覚えていて正解できれば理想的ですが、そうでなくても正解してほしい問題です。
というのも、もし(4)の記述が正しいなら、3つの要素が「30、30、40」でも「100、0、0」でも合計が100となるので、植物プランクトンの増殖速度が変わらないということになります。
しかし、考えてみると、栄養塩が全くない状態では植物プランクトンは増殖できないはずです。よって、これらの3要素はいずれも必須の要素であり、どれかが欠けたら成り立たないと判断できます。
このように考えると、(4)を「和」とするのは誤りであり、「積」とするのが妥当だろう…と推測することができます。もちろん、積だと断定できなくても、和でない時点で(4)が誤りだと判断できるので十分です。
以上から、正解は(4)となります。
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