問 題
塩素による酸化に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 塩素を水に溶かすと、pHが5.6以下ではHClOはほとんど存在しない。
- 水中にアンモニアが存在すると、塩素と結合してクロロアミンを生じる。
- HClO及びClO-は遊離塩素に含まれる。
- 塩素の酸化力は、ClO-よりもHClOのほうが強い。
- アンモニアの不連続点塩素処理では、不連続点より塩素注入率が大きくなると、残留塩素は主として遊離塩素の状態で存在している。
正解 (1)
解 説
塩素を水に溶かすと次亜塩素酸(HClO)が生成しますが、これはpHによって分子の形をとったりイオンの形をとったりします。
上記の化学反応式を見てもわかる通り、酸性条件下ではプロトン(H+)が増えるので、ルシャトリエの原理により平衡の矢印が左側に傾きます。よって、この場合、次亜塩素酸はイオンの形(ClO–)ではなく分子の形(HClO)を取りやすくなります。
一方、塩基性条件下ではプロトン(H+)がなくなるので平衡の矢印は右側に傾き、次亜塩素酸は分子の形(HClO)からイオンの形(ClO–)へと変化します。
よって、(1)に関して、pHが5.6以下でほぼ存在しないのは「HClO」ではなく「ClO–」のほうです。
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