R1年 汚水処理特論 問22 問題と解説

 問 題     

ICP発光分光分析法に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

ICP発光分光分析法では、誘導コイルに(1)高周波電流を流し電磁誘導によって生成する(2)高温(3)誘導結合プラズマの中に試料を噴霧し、(4)基底状態の原子から発する個々の波長の(5)発光強度を測定する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

この問題は、問20と対照的な問題です。

ICP発光分光分析法は、励起状態にある原子が特定の波長の光を放出して基底状態に遷移する現象を利用しています。つまり、高いエネルギー状態(励起状態)のものが基底状態に戻る際に発する光(エネルギー)を観測するので、名称に「発光」が付いています。

逆に、原子吸光法は、基底状態にある原子が特定の波長の光を吸収して励起状態に遷移する現象を利用しています。こちらは、低いエネルギー状態(基底状態)のものが外からの光(エネルギー)を吸収して励起状態となるところを測定するので、「吸光法」と呼ばれます。

よって、高いエネルギー状態のものが発光(エネルギーを放出)して低いエネルギー状態に変わっているので、(4)の「基底状態」が誤りで、正しくは「励起状態」となります。

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