R1年 大気有害物質特論 問7 問題と解説

 問 題     

次に記述されている性質を持つ特定物質はどれか。

常温で気体であるが、加圧すれば容易に液化する。空気に対する比重は1より小さい。空気中では燃えにくいが、爆発性の混合気をつくる。水溶液はアルカリ性を呈する。

  1. アンモニア
  2. シアン化水素
  3. ピリジン
  4. ホスゲン
  5. 二酸化硫黄

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

特定物質の性質から、その物質名を答える問題はたびたび出題されています。この手の問題は与えられる情報量が多いので、様々なアプローチが考えられます。どのような特徴から選択肢をしぼっても構わないので、以下の解法はあくまで一例として参考にしてください。

今回のように空気に対する比重が1より小さい場合、これが大きなヒントになります。というのも、空気の平均分子量は29ですが、これより小さい分子量の特定物質は以下の4つしかありません。

  • アンモニア(NH3):14+1×3=17
  • ふっ化水素(HF):1+19=20
  • シアン化水素(HCN):1+12+14=27
  • 一酸化炭素(CO):12+16=28

あとの特定物質の分子量は全て29を超えています。たとえば選択肢にある物質を例に挙げると次のようになります。

  • ピリジン(C5H5N):12×5+1×5+14=79
  • ホスゲン(COCl2):12+16+35.5×2=99
  • 二酸化硫黄(SO2):32+16×2=64

この時点で選択肢は(1)のアンモニアと(2)のシアン化水素に限られます。

ここで、アンモニアの水溶液は塩基性、シアン化水素の水溶液は酸性なので、(1)が正解となります。

コメント