有機塩素系化合物の生物分解法に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 分解能力を持つ好気性微生物として、メタン資化細菌がいる。
- 好気分解の場合、トリクロロエチレンは最終的にエチレンにまで分解される。
- 還元的脱塩素化反応は、塩素原子が一個ずつ外れる反応である。
- バイオスティミュレーションとは、土着の微生物を活性化して分解する方法である。
- 通常の有機物を多量に含む有機塩素排水に活性汚泥法を適用すると、一般的なフロック形成菌が優勢となり、分解可能な細菌は共生しにくい。
正解 (2)
解 説
トリクロロエチレンが最終的にエチレンにまで分解されるのは、「好気分解」ではなく「嫌気分解」です。
嫌気分解は(3)の通り、還元的脱塩素化反応として、塩素原子が1つずつ外れます。つまり、トリクロロエチレン(C2HCl3)は1つずつ塩素と水素が入れ替わって、ジクロロエチレン(C2H2Cl2)、ビニルクロライド(C2H3Cl)と続き、最後に塩素のないエチレン(C2H4)まで分解されます。
好気分解では、有機塩素系化合物は水と二酸化炭素と塩化物イオンに分解されます。
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