H25年 水質有害物質特論 問11 問題と解説

ジフェニルカルバジド吸光光度法によるクロム(Ⅵ)の検定に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 採水に用いる試料容器は試料で共洗いをしない。
  2. 直ちに測定できない場合には、アルカリ性にして0~10℃の暗所で保存する。
  3. 試料をアルカリ性とし、ジフェニルカルバジド溶液を加えて赤紫の錯体を形成させる。
  4. 別に同量の試料を取り、エタノールを加えてクロム(Ⅵ)をクロム(Ⅲ)に還元して、同じ発色操作を行い、対照液とする。
  5. 発色させた試料の吸光度を紫外部で測定する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(1)について、採水に用いる試料容器は試料で共洗いすることで誤差を極力抑えることができます。

(2)で、クロム(Ⅵ)の保存条件は、そのままの状態で0~10℃の暗所にて保存です。アルカリ性にしてしまうとイオン化していたクロムが固体として析出し、測定値に誤差を与える恐れがあります。

(3)は(2)と同様、アルカリ性だとクロムが溶液に溶けず、析出する恐れがあります。正しくは、「試料を酸性とし、ジフェニルカルバジド溶液を加えて赤紫の錯体を形成させる。」です。

(5)で、「紫外部」が誤りで、正しくは「可視光部」です(より正確には、波長540nmの可視光部)。(3)に「赤紫の錯体」とあり、(4)に「発色操作」とあるように、この測定では無色透明ではなく、色を目で見ることができます。目で見られるということは、それは可視光領域に含まれているということです。

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