R4年 大気特論 問2 問題と解説

 問 題     

ア~ウの特徴をそれぞれ満たす燃料の組合せとして、正しいものはどれか。

  1. 常温で加圧することで液化するガス燃料
  2. JISでは、煙点の規格がある石油由来の液体燃料
  3. 固定炭素の割合が最も大きい石炭
  •     ア     イ    ウ
  1. LPG        灯油  無煙炭
  2. LNG        軽油  歴青炭
  3. LPG        軽油  無煙炭
  4. LNG        重油  歴青炭
  5. ジメチルエーテル  灯油  褐炭

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

アについて、選択肢にあるLPG(Liquefied Petroleum Gas)は液化石油ガスのことで、プロパンやブタンが多く含まれます。また、LNG(Liquefied Natural Gas)は液化天然ガスのことで、メタンが主成分です。

ここで、LNGは分子量の小さいメタンが主成分なので、かなり揮発しやすいガスです。よって、常温で加圧しただけでは液化せず、-162℃の低温下で加圧することによって液化させる必要があります。

一方、LPGとジメチルエーテル(DME)は、どちらも常温で加圧することで液化するガス燃料です。よって、この時点で選択肢(1)、(3)、(5)が残ります。

イについて、灯油は用途によって1号、2号に分けられます。1号が白灯油といわれる精製度の高いもので、2号が茶灯油といわれる精製度の低いものです。このうち、1号には煙点23mm以上という規定がされていますが、2号には煙点の規定がありません。

煙点の数値を覚える必要はないと思いますが、「1号は煙点あり・2号は煙点なし」というのはたまに出題されるので、押さえておくべき知識といえます。

また、灯油以外の燃料(軽油や重油など)は全て煙点に関する規程がありません。よって、この時点で選択肢(1)、(5)が残ります。

ウについて、石炭は燃料比や発熱量によって、無煙炭、歴青炭、亜歴青炭、褐炭という4種類に分けられます。左側がより優れていて、右側がより劣っている石炭ということになるのですが、優れている石炭ほど、発熱量が高い、燃料比が大きい、硫黄分が少ない、といったような特徴を持ちます。

ウで問われているのは「固定炭素の割合が最も大きい石炭」なので、これは最も質の高い「無煙炭」が当てはまります。よって、選択肢(1)と(5)のうち、(1)だけが該当します。

以上から、アは「LPG」or「ジメチルエーテル」、イは「灯油」、ウは「無煙炭」となるので、正解は(1)です。

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