R3年 汚水処理特論 問13 問題と解説

 問 題     

ある工場に2系統の排水があり、これらを合わせて活性汚泥で処理している。2系統のうち、一方の排水はBOD 200mg/Lで、水量が250m3/日、他方はBOD 500mg/Lで、水量が80m3/日である。

また、曝気槽の容積は100m3、処理後の水質はBOD 20mg/L、及びBOD汚泥負荷は0.4kgBOD/(kgMLSS・日)である。

この活性汚泥の曝気槽のMLSS濃度(mg/L)はいくらか。

  1. 2090
  2. 2250
  3. 2350
  4. 2500
  5. 9000

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

前の問いに引き続き、BOD汚泥負荷に関する出題なので、ここでもBOD汚泥負荷の公式を使います。これは汚水処理特論で本当によく使う公式なので、きちんと覚えておくことをお勧めします。

  • L:BOD汚泥負荷 [kgBOD/(kgMLSS・日)]
  • BOD:BOD濃度 [mg/L]
  • Q:流入水量 [m3/日]
  • MLSS:MLSS濃度 [mg/L]
  • V:曝気槽の容量 [m3]

今回は上式のうちMLSSが問われていて、分母の数値は問題文よりL=0.4、V=100と与えられています。一方、分子の「BOD×Q」は2系統のそれぞれの値が既知なので、これらが合わさって曝気槽に流入してくるときの値を求めるのがこの問題の肝となります。

ここで、上式のBODはBOD濃度で、Qは流入水量です。よって、濃度と量を掛け算することでBOD量が計算できます。各系統でのBOD量がわかれば、それらを合わせた(足した)数値が曝気槽に流入してくる流入BOD量(式中の分子「BOD×Q」)となります。

以上を最初に示した公式に代入することで、求めたいMLSSを計算することができます。

よって、正解は(2)です。

また、別解として、BOD容積負荷を使って計算することもできます。こちらの場合の解法は、H30年 汚水処理特論 問13を参考に考えてみてください。

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