R3年 汚水処理特論 問12 問題と解説

 問 題     

BOD 300mg/L、流量200m3/日の排水を、曝気(ばっき)槽容積120m3、MLSS濃度2000mg/Lの活性汚泥法で処理していたところ、生産を拡張させ、同じ濃度の排水をさらに100m3/日増加させて処理することとなった。

曝気槽容積を30m3増加させ、BOD汚泥負荷を変化させずに運転する場合、MLSS濃度(mg/L)として適切なものはどれか。

  1. 2200
  2. 2400
  3. 2600
  4. 2800
  5. 3000

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

問題文には、BOD、流量、曝気槽容積、MLSS濃度の4つの数値が与えられていて、さらにBOD汚泥負荷という言葉も登場します。この5つのパラメータが登場した場合、以下に示すBOD汚泥負荷の公式を思い出してください。

これは汚水処理特論で本当によく使う公式なので、きちんと覚えておくことをお勧めします。

  • L:BOD汚泥負荷 [kgBOD/(kgMLSS・日)]
  • BOD:BOD濃度 [mg/L]
  • Q:流入水量 [m3/日]
  • MLSS:MLSS濃度 [mg/L]
  • V:曝気槽の容量 [m3]

問題文より、初期条件のBOD=300、Q=200、MLSS=2000、V=120を上式に代入すれば、Lを求めることができます。

次に、条件が変わったあとの数値を考えます。

入ってくる水の水質は変わらないので、BODは不変でBOD’=300です。流量は100増えるので、Q’=300になり、曝気槽容積は30増えてV’=150となります。BOD汚泥負荷は問題文より変化なしで、先ほどの計算結果からL’=0.25です。

これらを上記の公式に再び代入すると、次のようにMLSS濃度を計算することができます。

よって、正解は(2)です。

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