電験三種 R1年 法規 問8 問題と解説

 問 題     

次のa~fの文章は低高圧架空電線の施設に関する記述である。

これらの文章の内容について、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

a 車両の往来が頻繁な道路を横断する低圧架空電線の高さは、路面上6m以上の高さを保持するよう施設しなければならない。

b 車両の往来が頻繁な道路を横断する高圧架空電線の高さは、路面上6m以上の高さを保持するよう施設しなければならない。

c 横断歩道橋の上に低圧架空電線を施設する場合、電線の高さは当該歩道橋の路面上3m以上の高さを保持するよう施設しなければならない。

d 横断歩道橋の上に高圧架空電線を施設する場合、電線の高さは当該歩道橋の路面上3m以上の高さを保持するよう施設しなければならない。

e 高圧架空電線をケーブルで施設するとき、他の低圧架空電線と接近又は交差する場合、相互の離隔距離は0.3m以上を保持するよう施設しなければならない。

f 高圧架空電線をケーブルで施設するとき、他の高圧架空電線と接近又は交差する場合、相互の離隔距離は0.3m以上を保持するよう施設しなければならない。

  •  a     b    c    d     e    f
  1. 不適切  不適切  適切   不適切  適切   適切
  2. 不適切  不適切  適切   適切   適切   不適切
  3. 適切   適切   不適切  不適切  適切   不適切
  4. 適切   不適切  適切   適切   不適切  不適切
  5. 適切   適切   適切   不適切  不適切  不適切

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

aとbに関して、道路を横断する場合、低圧・高圧に関わらず架空電線の高さは路面上6m以上にしなければなりません。問題文では「車両の往来が頻繁な道路」と限定していますが、むしろ普通の道路はこれが適用されると思ってください。

よって、ただ「道路」と書いてあるときでも6m以上の高さにする必要があります。敢えて「車両の往来がまれな道路」といった表記になっているときに限り、6m未満でも許される場合があります。

つまり、aとbはいずれも適切な文章です。

cとdに関して、横断歩道橋の上に架空電線を施設する場合、低圧なら横断歩道橋の路面上3m以上、高圧なら横断歩道橋の路面上3.5m以上にすることが求められます。

よって、cの文章は適切ですが、dの文章は「3m以上」の部分が不適切です。

eとfに関して、高圧架空電線をケーブルで施設するとき、他の低圧・高圧架空電線との離隔距離は0.4m以上が必要です。

よって、eとfのどちらも「0.3m」の部分が不適切で、ここは「0.4m」に直す必要があります。

以上から、正解は(5)となります。


架空電線の高さの規定は、道路や歩道橋以外のものが出題されることもあります。低高圧架空電線の高さのページに表としてまとめているので、ぜひ確認しておいてください。

また、低高圧架空電線と他の低高圧架空電線路との接近又は交差に関しても、その組合せによって数値が変わってきます。これについては架空電線の接近・交差(前編)のページの下部にまとめているので、こちらも併せて参照してください。

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