電験三種 R1年 法規 問7 問題と解説

 問 題     

「電気設備技術基準の解釈」に基づく常時監視をしない発電所の施設に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 随時巡回方式の技術員は、適当な間隔において発電所を巡回し、運転状態の監視を行う。
  2. 遠隔常時監視制御方式の技術員は、制御所に常時駐在し、発電所の運転状態の監視及び制御を遠隔で行う。
  3. 水力発電所に随時巡回方式を採用する場合に、発電所の出力を3000kWとした。
  4. 風力発電所に随時巡回方式を採用する場合に、発電所の出力に制限はない。
  5. 太陽電池発電所に遠隔常時監視制御方式を採用する場合に、発電所の出力に制限はない。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

常時監視をしない発電所の監視方法は、次の3種類があります。

  • 随時巡回方式
  • 随時監視制御方式
  • 遠隔常時監視制御方式

随時巡回方式は最も基本的な監視方法で、技術員が適当な間隔をおいて発電所を巡回し、運転状態の監視を行うという方式です。

随時監視制御方式は、技術員が必要に応じて発電所に出向き、運転状態の監視又は制御その他必要な措置を行うという方式です。

遠隔常時監視制御方式は、技術員が制御所に常時駐在し、発電所の運転状態の監視及び制御を遠隔で行うという方式です。

よって、(1)と(2)は正しい文章であると判断できます。

以上は常時監視をしない発電所の監視方法の説明でしたが、本来は常時監視をしたほうが安全性は高く望ましいといえます。そのため、規模の大きい水力発電所・内燃力発電所・ガスタービン発電所などでは、常時監視以外の監視方法は認められていません。

そんなに大規模でない場合、具体的には次の条件を満たす場合には、随時巡回方式を採用することができます。

  • 水力発電所    :出力   2,000[kW] 未満
  • 内燃力発電所   :出力   1,000[kW] 未満
  • ガスタービン発電所:出力 10,000[kW] 未満

随時監視制御方式や遠隔常時監視制御方式に関してはまた少し条件が異なるのですが、出題頻度を踏まえてここでは割愛します。上記の数値を覚えておけば充分だと思います。

よって、(3)については「3000kW」の部分が2000kW未満の数値であれば正しい文章となりますが、3000kWだと随時巡回方式は認められないので、(3)が不適切な文章だと判断できます。

なお、上記以外で次に示す発電所については、常時監視をしない発電所の監視方法(随時巡回方式・随時監視制御方式・遠隔常時監視制御方式)を採用する際の出力制限がありません。以下のものは全て常時監視をしないことが認められています。

  • 風力発電所
  • 太陽電池発電所
  • 燃料電池発電所
  • 地熱発電所

よって、(4)と(5)はいずれも正しい記述といえます。

以上から、正解は(3)です。

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