電験三種 H29年 電力 問13 問題と解説

 問 題     

次の文章は、配電線路の電圧調整に関する記述である。誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 太陽電池発電設備を系統連系させたときの逆潮流による配電線路の電圧上昇を抑制するため、パワーコンディショナには、電圧調整機能を持たせているものがある。
  2. 配電用変電所においては、高圧配電線路の電圧調整のため、負荷時電圧調整器(LRA)や負荷時タップ切換装置付変圧器(LRT)などが用いられる。
  3. 低圧配電線路の力率改善をより効果的に実施するためには、低圧配電線路ごとに電力用コンデンサを接続することに比べて、より上流である高圧配電線路に電力用コンデンサを接続した方がよい。
  4. 高負荷により配電線路の電圧降下が大きい場合、電線を太くすることで電圧降下を抑えることができる。
  5. 電圧調整には、高圧自動電圧調整器(SVR)のように電圧を直接調整するもののほか、電力用コンデンサや分路リアクトル、静止形無効電力補償装置(SVC)などのように線路の無効電力潮流を変化させて行うものもある。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(3)に関して、電力用コンデンサを設けることは力率改善に効果的です。ただし、その位置は上流の高圧側よりも、むしろ機器に近い下流の低圧側のほうがよいです。

もし上流に電力用コンデンサを接続して力率を改善したとしても、そこから長いケーブルを経る間に、損失が生じることなどによって力率が下がってしまいます。それであれば、より機器に近い場所で力率の調整を行うほうが効果的であるといえます。

よって、(3)の「低圧配電線路ごと」と「より上流である高圧配電線路」を反対にすれば、これは正しい記述になります。

そのほかの選択肢はいずれも正しい内容ですが、これらも配電線路の電圧調整として代表的なものなので、その内容をぜひ押さえておきたいところです。

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