電験三種 H26年 法規 問2 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気関係報告規則」に基づく、自家用電気工作物を設置する者の報告に関する記述である。

自家用電気工作物(原子力発電工作物を除く。)を設置する者は、次の場合は、遅滞なく、その旨を当該自家用電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長に報告しなければならない。

  1. 発電所若しくは変電所の( ア )又は送電線路若しくは配電線路の( イ )を変更した場合(電気事業法の規定に基づく、工事計画の認可を受け、又は工事計画の届出をした工事に伴い変更した場合を除く。)
  2. 発電所、変電所その他の自家用電気工作物を設置する事業場又は送電線路若しくは配電線路を( ウ )した場合

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   (ア)  (イ)   (ウ)

  1. 出力  こう長  廃止
  2. 位置  電圧   譲渡
  3. 出力  こう長  譲渡
  4. 位置  こう長  移設
  5. 出力  電圧   廃止

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

問題文に該当するのは、「電気関係報告規則」第5条(自家用電気工作物を設置する者の発電所の出力の変更等の報告)です。この項の条文は以下の通りとなります。

自家用電気工作物(原子力発電工作物を除く。)を設置する者は、次の場合は、遅滞なく、その旨を当該自家用電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長に報告しなければならない。

  1. 発電所若しくは変電所の出力又は送電線路若しくは配電線路の電圧を変更した場合
  2. 発電所、変電所その他の自家用電気工作物を設置する事業場又は送電線路若しくは配電線路を廃止した場合

よって、正解は(5)となります。

この問題では、産業保安監督部長に報告しなければいけない条件が問われています。つまり、選択肢に迷った場合、より重大であるために報告が必要そうだと思えるほうを選ぶといいと思います。

( ア )には位置か出力が入りますが、位置が変わってもその自家用電気工作物の規模に影響が出るわけではありません。しかし、出力が変わった場合、特に出力が大きくなった場合には事故時のリスクなどが高まるので、こちらのほうが位置の変更よりも重大な話です。よって、ここは「出力」が正しいと判断できます。

( イ )にはこう長か電圧が入りますが、( ア )と同様、長さの変わるこう長よりも「電圧」のほうが大事な情報です。

( ウ )は少し判断に悩むかもしれませんが、譲渡と移設については今あるものがそのままあり続けるのに対して、廃止は今あるものがなくなるので変化が生じています。よって、どれが重大かといえば、変化のある「廃止」だと考えることができます。

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