電験三種 H24年 電力 問13 問題と解説

 問 題     

図のように高低差のない支持点A、Bで支持されている径間Sが100[m]の架空電線路において、導体の温度が30[℃]のとき、たるみDは2[m]であった。

導体の温度が60[℃]になったとき、たるみD[m]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、電線の線膨張係数は1[℃]につき1.5×10-5とし、張力による電線の伸びは無視するものとする。

  1. 2.05
  2. 2.14
  3. 2.39
  4. 2.66
  5. 2.89

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

電線のたるみに関する計算問題はたびたび出題されているので、以下の2つの式は公式としてぜひ覚えておきたいところです。一つは電線のたるみD[m]を求める式、もう一つは電線の長さL[m]を求める式です。

  • D:電線のたるみ[m]
  • w:荷重(電線1mあたり)[N/m]
  • S:電線の支持物間の距離(径間長)[m]
  • T:水平張力(電線の水平方向)[N]
  • L:電線の長さ[m]

今回はすでにD=2[m](30℃)と与えられているので、1つ目の式は使わず、2つ目の式だけで解くことができます。2つ目の式に問題文で与えられた数値を代入すると、以下のように計算できます。

  • L30℃:30℃条件下での電線の長さ[m]

導体の温度が60℃になると、1℃につき、もとの長さの1.5×10-5倍した分だけ膨張するので、

  • L60℃:30℃条件下での電線の長さ[m]

となります。よって、60℃条件下でのたるみD[m]は、再度2つ目の公式に数値を代入していくと得ることができます。

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