ビル管理士試験 2020年 問174 問題と解説

 問 題     

ネズミ用の薬剤やその効力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 経皮的な取り込みによる効力の発現を目的とした殺鼠剤(さっそざい)はない。
  2. 殺鼠剤による駆除を行った際、イエダニによる吸血被害が顕在化することがある。
  3. ネズミの薬剤抵抗性は、免疫の獲得によって発達する。
  4. ケーブルなどのかじり防止の目的で使用できる忌避剤がある。
  5. 抗凝血性殺鼠剤の致死効果の発現は、遅効的である。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(3)に関して、薬剤抵抗性は、作用機構が同一の薬剤が繰り返し使用されることによる淘汰によって発達します。早い話が、遺伝です。

突然変異などによってたまたま薬剤抵抗性をもった個体が現れ、その個体が生殖によって抵抗性をもった個体を増やしていくことで、集団として抵抗性を得ることになります。

仮に(3)にあるように免疫を獲得した個体がいたとしても、その個体が薬剤抵抗性をもつだけで、集団として抵抗性が発達することはありません。というのも、免疫は基本的に遺伝しないからです。

ヒトを例にとって話すと、もし免疫が遺伝するなら、幼児がBCGや日本脳炎の予防接種をする必要がなくなります。なぜなら、親が子どもの頃にこれらの予防接種をしてすでに免疫を獲得しているからです。でも実際には免疫は遺伝しないため、子どもは子どもで予防接種を受ける必要があります。

以上はヒトの話ですが、ネズミでもハエでも同様に、免疫は遺伝しないので(3)の記述が誤りとなります。

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