ビル管理士試験 2020年 問38 問題と解説

 問 題     

電離放射線に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. γ線は、鉛、鉄の板を通過する。
  2. 放射線の人体に与える影響の単位は、Bq(ベクレル)である。
  3. 放射線の健康影響のうち、がんに対する影響には閾値(いきち)が存在する。
  4. 胸のX線検査1回で被曝(ひばく)する線量は、自然放射線からの年間被曝量の世界平均よりも多い。
  5. 感受性が最も高い細胞は、リンパ球である。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)は誤りです。鉛や鉄の板は、α線もβ線もγ線も遮蔽(しゃへい)することができるので、通過させません。

(2)も誤りです。放射線の人体に与える影響の単位は、Sv(シーベルト)です。Bq(ベクレル)は放射能の単位です。これは頻出事項なので、放射線はSv、放射能はBqとしっかり区別して覚えてください。

(3)も誤りです。閾値があれば、それ未満の量であればどれだけ被曝しても健康影響が出ません。しかし、「放射線によるがん」に関しては閾値がなく、微量でも被曝してしまうと、わずかながらがんのリスクを生じます。

少し脱線しますが、放射線の健康影響のうち、閾値を持たないものは以下の3つです。それ以外のもの(脱毛や不妊など)は、閾値があると考えてください。

  1. 悪性腫瘍(がん)
  2. 遺伝子異常
  3. 白血病

(4)も誤りです。正確な数値までは覚えなくてよいと思いますが、胸部X線の被曝量は0.02mSvくらいです。一方、自然放射線による被曝量は2.4mSv程度なので、これと比べると胸部X線の被曝量はずっと少ないといえます。

(5)の記述が正しいので、正解は(5)です。

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