投与計画と薬動学的パラメータ

投与計画とは、薬物投与に関する頻度、量に関する計画です。同一薬剤を同用量投与しても、個体間変動、個体内変動があり、薬物血中濃度は同一のプロフィールをとりません。そのため投与計画を立てる必要があります。

投与計画は、まずは患者の年齢、病態などをもとに標準的量が処方されます。そして薬物投与 → 一定時間経過後に採血 → 血中濃度を測定 という流れで行われる TDM により、目の前の患者さんについて情報を得ます。そこから、患者さんの薬物動態学的パラメータ、具体的には Vd、CL などを推測し、さらに以降の薬物濃度の推移予測が可能となります。この予測を基に投与計画を修正していきます。

たった1点の血中濃度測定値から、その患者の薬物動態パラメータが推定できるのは「母集団パラメータ」を事前情報として用いるからです。すなわち、事前に多くの患者に同じ薬物が投与された場合の血中濃度推移がわかっており、平均的薬物動態パラメータ、個体間変動などについて解析されているということです。実際には治験を通じて情報が集まり、解析された結果が添付文書等として公開されているということです。

演習 100-172

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