生物学的利用能は、バイオアベイラビリティ(以下 BA と略します。)と呼ばれます。BA は大きく 2 つに分類されます。量的 BA(=生物学的利用率) と、速度的 BA(=生物学的利用速度) です。単にバイオアベイラビリティとよんだ時は、量的 BA を意味します。
量的 BA は、投与量に対する、体循環流入量の割合です。実際にデータとして用いるのは、投与量と AUC です。
AUC とは、横軸に時間 縦軸に血中薬物濃度をとったグラフにおける、軸と曲線に挟まれる部分の面積のことです。体循環に流入する量が多ければ AUC も大きくなるため、AUC から、体循環流入量が推定できます。AUC は、血中濃度を採血により数点測定し、統計的な処理で曲線を描き求めます。
意識しておきたい点としては、バイオアベイラビリティが高い、低いと、薬としての善し悪しは別の観点である、ということです。例えば点鼻や外用薬で、局所作用のみを期待し全身作用を避けたい場合は、BA が 0 に近いほどよいと考えられます。
速度的 BA とは、最大血中濃度 及び そこに至るまでの時間の評価です。量的 BA 及び 速度的 BA が 2 つの薬剤で等しい、すなわちある薬物 A,B を 同じ量投与した際に、AUC、Cmax,Tmax が等しい 場合、薬物 A,B は「生物学的に同等」といいます。これはジェネリック医薬品の評価に用いられる重要な表現です。確実に理解し、おさえておきましょう。
以上です。
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