点滴静注の血中濃度計算

点滴静注とは、一定の速度で薬物を投与する手法の1つです。横軸に時間、縦軸に血中濃度をとると以下のようなグラフになります。

グラフからわかるように、一定速度で点滴静注を行うとある程度の時間経過後、薬物の投与速度と消失速度が等しくなり血中濃度が一定に保たれます。この状態を「定常状態」と呼びます。定常状態における薬物血中濃度は Css で表します。

一般的には、点滴静注において、薬物の半減期の 4 ~ 5 倍の時間が経過すれば、ほぼ定常状態の薬物濃度になります。

では、ある Css にするための薬物の点滴速度を求めるにはどうすればよいでしょうか。重要な公式が以下になります。「投与速度=CL・Css」 又、投与速度と CL が与えられた時に定常状態の血中濃度を求める場合は、公式を少し変形して「Css = 投与速度/CL 」を用います。

点滴の初めから Css にするために、点滴開始時に、急速静注を行う場合もよくあります。この時、急速静注する量を「負荷量」と呼びます。負荷量は、負荷量 = Vd × Css  で求めることができます。

以上です。

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