吸収において薬物分子は、細胞膜を通過します。細胞膜の通過機構は大きく2つに分類されます。すなわち、受動拡散(単純拡散)と担体輸送です。
受動拡散とは、担体無しで、直接薬物分子が細胞膜を通過することです。薬物の透過速度は、Fick(フィック)の法則に従います。Fick の法則は以下の式で表されます。
担体輸送は、ATP を用いるかどうかにより、促進拡散と、能動輸送に分類されます。能動輸送に関しては次の節において詳しく説明します。担体輸送において、薬物の透過速度は Michaelis-Menten(ミカエリス-メンテン)式に従います。Michaelis-Menten(ミカエリス-メンテン)式は、以下の式で表されます。
受動拡散と、促進拡散の共通点は、ATP を用いない点です。受動拡散と、担体輸送の相違点は、担体の有無です。
コメント