高尿酸血症とは、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態のことです。
痛風とは、高尿酸血症が持続した結果として、関節内にできた尿酸塩結晶による関節炎です。足の親指の激痛が特徴的症状として知られています。
高尿酸血症、痛風治療薬は大きく 3 つに分類されます。
ⅰ.抗発作薬
ⅱ.XO(xanthine oxidase:キサンチンオキシダーゼ)阻害薬
ⅲ.尿酸排泄促進薬
ⅰ.抗発作薬
このタイプの代表的な薬は
・コルヒチン
・インドメタシン(インダシン)
・ナプロキセン(ナイキサン)
などが挙げられます。
コルヒチン、インドメタシン、ナプロキセンは、発作時の抗発作薬です。
コルヒチンは、微小管タンパク質(チュブリン)と結合することで、微小管の形成を阻害します。これにより、関節炎症部位への好中球の遊走を抑制することで、痛風発作を緩解します。
インドメタシン、ナプロキセンは、酸性 NSAIDs です。短期間に大量投与することにより痛みを抑制します。
ⅱ.XO(xanthine oxidase:キサンチンオキシダーゼ)阻害薬
このタイプの代表的な薬は
・アロプリノール(ザイロリック、プロデック)
・フェブキソスタット(フェブリク)
などが挙げられます。
アロプリノールは、XO 阻害薬です。キサンチンオキシダーゼを阻害することにより、尿酸の生合成を抑制します。
フェブキソスタット(フェブリク)は、非プリン型キサンチンオキシダーゼ阻害薬です。キサンチンオキシダーゼを選択的に阻害します。
ⅲ.尿酸排泄促進薬
このタイプの代表的な薬は
・プロベネシド(ベネシッド)
・ベンズブロマロン(ユリノーム)
・ブコローム(パラミヂン)
などが挙げられます。
プロベネシド、ベンズブロマロン、ブコロームは、尿酸排出促進薬です。
プロベネシドは、もともとペニシリンの血中濃度を維持するためにデザインされた薬です。各種薬物の尿細管分泌を阻害することにより尿中排泄を抑制し、作用を増強します。尿酸に対しては、再吸収の抑制作用と、分泌抑制の両作用があるのですが、再吸収抑制作用の方が強いので、結果的に尿酸排出が促進されます。
ベンズブロマロンは、尿酸の尿細管における再吸収を特異的に抑制する薬です。警告も出た重篤な副作用として、ベンズブロマロンには劇症肝炎の副作用が知られています。
ブコロームは、尿酸排出促進作用のある NSAIDs です。抗炎症作用、抗リウマチ作用もあります。
代表的な高尿酸血症、痛風治療薬をまとめると、以下の表になります。
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