知覚神経とは、末梢神経系における体性神経の一種です。(参考 生化学まとめました 1-2 2) 体性神経系)
知覚神経に作用する代表的な薬は、局所麻酔薬です。局所麻酔薬は、末梢知覚神経に作用し、中枢への興奮伝導を遮断させることで痛覚などを遮断する薬のことです。具体的には、Na+ チャネルをブロックすることにより、活動電位の発生を抑制して麻酔作用を示します。
局所麻酔薬は、構造に基づき3つに分類されます。
ⅰ. アルカロイド
ⅱ.エステル型の局所麻酔薬
ⅲ. アミド型の局所麻酔薬
ⅰ. アルカロイド
このタイプの代表的な局所麻酔薬は
・コカイン
などが挙げられます。
コカインは、コカという植物の葉から得られるアルカロイドです。Na+ チャネル遮断作用による局所麻酔作用をもち、表面麻酔に用いられます。又、ノルアドレナリンの再取り込みを阻止するので、ノルアドレナリンのシナプス間隙の濃度が上昇し、血管収縮をおこします。血管収縮作用は、局所麻酔においてコカインの特徴的作用です。
ⅱ.エステル型の局所麻酔薬
このタイプの代表的な局所麻酔薬は
・プロカイン(オムニカイン)
・オキシブプロカイン(ラクリミン、センジュ)
・テトラカイン(テトカイン)
・アミノ安息香酸エチル
などが挙げられます。( )の中が商品名の一例になります。
プロカイン、オキシブプロカイン、テトラカイン、アミノ安息香酸エチルは、エステル型の局所麻酔薬です。血中のエステラーゼという酵素により速やかに分解されるため、作用持続時間が短いという特徴があります。
又、エステル型の局所麻酔では、プロカインのみ表面麻酔に用いられません。これは、プロカインの組織浸透性が低いためです。
ⅲ. アミド型の局所麻酔薬
このタイプの代表的な局所麻酔薬は
・リドカイン(キシロカイン)
・ジブカイン(ペルカミン)
・メピバカイン(カルボカイン)
・オキセサゼイン(ストロカイン)
などが挙げられます。
リドカイン、ジブカイン、メピバカイン、オキセサゼインは、アミド型の局所麻酔薬です。エステラーゼで分解されないため、作用時間が長いという特徴があります。
又、メピバカインはコカインと同様に血管収縮作用があります。
さらに、オキセサゼインは胃液内の強酸中でも作用するため、胃粘膜局所麻酔薬として用いられます。
代表的な知覚神経に作用する薬をまとめると、以下の表になります。
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