α位のハロゲン化、アルキル化

カルボニル基の α 位で起こる反応には、aldol反応 (前の前のページ参照)や Michael付加反応 (前のページ参照)という人名反応がありましたが、この項では人名反応以外のもの、つまり、ハロゲン化反応とアルキル化反応について解説します。

α位のハロゲン化反応

酸性条件下でアルデヒド(またはケトン)がハロゲンと反応すると、α 位の水素がハロゲンに置換します。

反応式

反応機構

この反応では、まずプロトンによってケト型構造がエノール型構造に変わります。続いて、エノールがハロゲンと反応することで置換反応が完了します。

この反応では、ハロゲンが 1 つだけ置換することに注意してください(↓との対比として)。

ハロホルム反応

もうひとつのハロゲン化反応に、ハロホルム反応と呼ばれるものがあります。

それは、メチルケトン基をもつ化合物(CH3-CO-R)に塩基性条件下でハロゲンを反応させると、メチル基のところでハロゲン化反応が 3 度起こり、 CX3-CO-R が生成します。さらに反応が進むと、トリハロメタン(CHX3)が生成します。

このハロホルム反応は、ハロゲンがヨウ素であるときに限り「ヨードホルム反応」と呼ばれ、ヨードホルム(CHI3)が生成します。

上のハロゲン化反応との違いは、酸性ではなく塩基性の反応であること、そして、一置換ではなく三置換であることです。

また、なぜヨードホルム反応が有名かというと、これがメチルケトン基の確認試験に使われるからです。

メチルケトン基を持つ化合物に塩基性条件下でヨウ素を作用させると、上の反応機構によりヨードホルムが生成します。このヨードホルムは黄色い固体で特異な臭いがするために、生成したのがわかりやすく、確認試験として用いられます。

α位のアルキル化反応

アルデヒド(またはケトン)を塩基性条件でハロゲン化アルキルと反応させると、SN2反応が起こってアルキル化します。

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