代表的な徐放性製剤における徐放化の手段

徐放化の手段は、大きく3種類に分類されます。外を別の物で包み込んで制御する(放出膜制御)か、全体を基剤と混ぜ込んでゆっくり放出させる(高分子マトリクスによる制御)か、その他の方法です。膜制御型は、リザーバー型とも呼ばれます。

薬物の放出速度は、膜の厚さに反比例します。吸収過程において、水が浸入してくるのですが、リザーバー内で薬物飽和状態にある間は、一定の放出速度(0 次速度)が維持されます。

マトリックス型製剤は、表面から徐々に薬物が放出されます。よって、薬物の拡散距離が時間とともに段々長くなっていきます。薬物の放出量(単位面積当たり)は、時間の平方根に比例するという Higuchi の式が知られています。式は以下のようなものです。

一般に「固体」の薬物がマトリックス全体に分散している時は、はるかに溶解度よりも A が大きい、すなわち A>>Csなので、近似した以下の式が用いられます。

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