細胞膜受容体タンパク質などのリン酸化を介した情報伝達経路

タンパク質はリン酸化、脱リン酸化を介して、活性化したり非活性化されたりします。リン酸化される残基は、チロシン、セリン、スレオニン残基です。

リン酸化を介して情報伝達する主な経路は大きく2つあります。1つはチロシンキナーゼを介する経路です。代表例はインスリン受容体です。

インスリン受容体は、1回膜貫通型受容体で、細胞内部側に、チロシンキナーゼ活性領域を有します。リガンドが結合すると、細胞内タンパク質のチロシン残基がリン酸化されます。これにより、情報が伝達され、インスリン受容体であれば、グルコース輸送担体の一種である GLUT – 4 が細胞質内から細胞膜へ移動します。

もう1つの代表的なリン酸化を介した情報伝達経路は、セリン/スレオニン キナーゼを介する経路です。代表例は EGFR です。EGF が EGFR に結合すると、まず自分のチロシン残基を自己リン酸化します。続いて、低分子量 G タンパク質である Ras の活性化 → セリン/スレオニンキナーゼ の一つである MAPK を活性化することで、核内へのシグナル伝達を行います。この結果、細胞の増殖や分化が引き起こされます。

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