アンギオテンシンは、生理活性ポリペプチドの一種です。アンギオテンシンⅠ~Ⅳが知られています。
肝臓由来のアンギオテンシノーゲン(452aa)に、腎臓の傍糸球体細胞が分泌するレニンという酵素が作用し、アンギオテンシンⅠ(10aa)が作られます。アンギオテンシンⅠは不活性です。アンギオテンシンⅠが ACE(angiotensin-converting enzyme)により、活性型のアンギオテンシンⅡ(8aa)に変換します。アンギオテンシンⅡが生理活性として特に重要です。
アンギオテンシンⅡの受容体が AT 受容体です。AT1、AT2 受容体というサブタイプが知られています。それぞれ Gq タンパク質共役型、Gi タンパク質共役型です。アンギオテンシンⅡによる血圧上昇作用等は AT1 受容体を介して引き起こされます。
また、アンギオテンシンⅡは、副腎皮質球状層に作用し、アルドステロン分泌を促進します。この結果、遠位尿細管における再吸収促進→抗利尿→循環血液量増加→血圧上昇という流れを引き起こします。
ブラジキニンは、9aa からなるノナペプチドです。キニノーゲンに、血漿カリクレインという酵素が作用して生成されます。ブラジキニンは ACE (別名、キニナーゼ)により分解されて不活化される、という点がポイントです。そのため ACE 阻害薬で降圧→ブラジキニン上昇を引き起こします。ブラジキニンは降圧作用や、発痛作用、炎症作用、血管拡張作用などを有します。
その他、心房から分泌される心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP:Atrial Natriuretic Peptide)は、28aa からなる、利尿、血圧降下作用を有するペプチドです。ANP 受容体刺激により、細胞内 cGMP 濃度が増加します。ちなみに、ナトリウム利尿ペプチドには、他にも脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP:brain natriuretic peptide)及び、C 型ナトリウム利尿ペプチドがあります。BNP は「脳性」とありますが、主として心室から分泌されるペプチドです。CNP は心臓への作用等が解明されつつあるペプチドです。
また、血管内皮細胞等で産生されるエンドセリン(ET:endothelin)は、血管収縮性ペプチドとして知られています。ET 受容体として、ETA , ETB 受容体が知られています。
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