アルコール発酵、乳酸発酵

ここまでは、主にヒトのグルコース代謝についてまとめてきましたが、ヒト以外のグルコース代謝において社会的に重要な役割を果たす 2 つの代謝である アルコール発酵 と 乳酸発酵について
以下でまとめます。また、ヒトの嫌気的環境における解糖系の別ルートとしての乳酸発酵に注目し、コリ回路についてまとめます。

まず、アルコール発酵は、グルコース→ピルビン酸 (解糖系)、ピルビン酸 → アセトアルデヒド → エタノールという経路で代謝される発酵です。酵母などの微生物が行うグルコース代謝の一種です。お酒作りに活用されています。

乳酸発酵は、グルコース → ピルビン酸、ピルビン酸 → 乳酸 という経路で代謝される発酵です。乳酸菌のグルコース代謝や、動物の嫌気的環境における解糖系の別ルートとして行われます。乳酸菌の乳酸発酵は、乳製品の風味をつける工程などに活用されています。

動物の嫌気的環境における解糖系の別ルートとして、乳酸発酵についてもう少し詳しく、以下で説明します。

乳酸発酵の特徴としては『筋肉と肝臓の間で、糖と乳酸のやり取りが行われることで効果的な代謝を実現している』という点があげられます。この回路を コリ回路 と呼びます。イメージは、下図になります。

① コリ回路とは、何の代謝における回路だったか
② どことどこの間で、何のやり取りが行われるか について、しっかりと思い出せるように確認しておくとよいです。(① は、グルコースの代謝(ただし、嫌気的環境における乳酸発酵)、② は、筋肉と肝臓の間で、グルコースと乳酸のやり取り です。)

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