細胞膜は、外の環境と内部とを隔てる膜です。細胞膜は脂質二重層を形成し、モザイク状にタンパク質が埋め込まれているモデルで表現されます。このモデルを流動モザイクモデルとよび、以下のようなイメージとなります。
細胞膜を構成する脂質二重層は、動的な性質を持ちます。すなわち、一つ一つの脂質やタンパク質は動き回っています。
脂質は水平に速く移動します。これを水平拡散(ラテラル拡散)といいます。これに対し、反対面に移動することをフリップフロップといいます。これは滅多に起きません。この膜の流動性には、コレステロールが大きく関与しています。すなわち、コレステロールの割合が多い膜は流動性が低くなり膜が安定化されています。
とはいえ、細胞膜のあらゆるところで脂質やタンパク質が自由に移動できるわけではありません。場所により移動の速度や範囲が異なることが実験により観測されています。この事実を説明する理論が膜骨格による出入口/囲いモデルです。
細胞の内部において、細胞膜に近い部分に、細胞骨格と呼ばれる繊維状の構造があります。この構造が、細胞膜構成成分の移動範囲を制限していたり相互作用することにより移動を妨げていると考えられています。
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