問 題
トランスポゾンに関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ ショウジョウバエの copia 因子の転移には、逆転写反応が必要である。
㋑ ヒトゲノムではDNA トランスポゾンが活発に転移している。
㋒ SINE はヒトゲノムで最もコピー数が多い転移因子のグループである。
㋓ トウモロコシの Ac 因子は転移に必要な領域を失っており、ゲノム中で転移できない。
1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓
正解.2
解 説
㋐ は妥当です。
ショウジョウバエの copia 因子はレトロトランスポゾンの一種として知られています。レトロトランスポゾンは、自分自身を RNA に複写した後、逆転写酵素によって DNA に複写し返されることで移動します。
㋑ ですが
ヒトゲノムでは DNA トランスポゾンは活動していないとされています。「活発に転移している」わけではありません。㋑ は誤りです。
㋒ は妥当です。
SINE:Short interspersed nuclear element 短鎖散在反復配列 は、長さ 100 から 700 塩基対の、非自律型・ノンコーディング転移因子です。
㋓ ですが
トウモロコシの転移因子 Ac は、大きさが 4.6 kb で、自ら転移するのに必要な転移酵素遺伝子を持つ自律性因子です。「転移に必要な領域を失っており、ゲノム中で転移できない」わけではありません。㋓ は誤りです。
以上より、正解は 2 です。
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