国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問94解説

 問 題     

放射線で誘発されるがんに関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。


㋐ 体内に取り込まれた放射性核種が特定の組織や臓器に集積し、発がんの原因となることがある。

㋑ 発症したがんの重篤度と被ばく線量との間には相関はない。

㋒ 確定的影響に分類され、しきい線量は約 100 ミリシーベルトである。

㋓ 原爆被爆者の集団で白血病の発症が増加し始めた時期は、固形がんの発症が増加し始めた時期よりも遅い。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当です。
例えば放射性ヨウ素 → 甲状腺に集積 → 甲状腺がんの原因 になりうる といったものです。

㋑ は妥当です。
重篤度と被ばく線量に相関はありません。

㋒ ですが
放射線による発がんは「確率的影響」です。閾値はありません。㋒ は誤りです。

㋓ ですが
被ばく後 5 ~ 10 年で白血病が増加しました。被ばく 10 年以降後から固形がんが増加しています。固形がんの発症が増加し始めた時期の方が遅いです。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

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