国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問93解説

 問 題     

哺乳類の放射線感受性に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。


㋐ 精子形成過程における精巣中の精原細胞は精子よりも放射線感受性が高い。

㋑ 末梢血中の成熟血球は一般的に放射線感受性が低いが、成熟リンパ球は例外的に感受性が高い。

㋒ 放射線感受性は細胞周期によって異なり、S 期後半の細胞が最も感受性が高い。

㋓ 放射線感受性は組織によって異なり、神経は腸上皮より感受性が高い。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当です。
形成過程における精原細胞よりも、完成している精子の方が分化していると考えると判断しやすいと思われます。

㋑ は妥当です。
一般的に成熟した細胞は放射線感受性が低いのですが、成熟リンパ球は例外的に感受性が高いという点はおさえておくとよいです。

㋒ ですが
細胞は分裂期またはその付近で最も感受性が高く、S 期末期で最も抵抗性がある というのが一般的です。「S 期後半…が最も感受性が高い」わけではありません。㋒ は誤りです。

㋓ ですが
神経組織は細胞分裂をしない組織といえます。そのため感受性は低いです。腸上皮の方が放射線感受性は高いと考えられます。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

類題 R2no93 放射線の生物への影響
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-r2-93/

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