国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問91解説

 問 題     

真核細胞のエンドサイトーシス (飲食作用) に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ エンドサイトーシスで細胞外から取り込まれた物質は、リソソームを経由して、多様なアルカリ性加水分解酵素を含むエンドソームに送られる。

㋑ ヒトにおいては、一部の白血球は、体内に侵入した微生物をファゴサイトーシスにより取り込んで分解することによって、体を感染から守っている。

㋒ 一部のウイルスは、エンドサイトーシスを利用して細胞内のリソソームやエンドソームに侵入し、それらの中で増殖する。

㋓ コレステロールを含む低密度リポタンパク質 (LDL) が細胞表面の LDL 受容体に結合すると、エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれた後、LDL 受容体は細胞膜に戻され再利用される。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
「エンドソーム」を経由して、最終的に多様なアルカリ性加水分解酵素を含む「リソソーム」に送られるが妥当です。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
ファゴサイトーシスは食作用、貪食とも呼ばれます。

㋒ ですが
ウイルスがエンドサイトーシスを利用して細胞内に侵入する という記述の内容は妥当です。ウイルスの増殖は細胞質基質や核で行われます。「侵入し、それらの中で増殖する」わけではないと考えられます。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当です。
LDL 受容体の再利用に関する記述です。


以上より、正解は 4 です。

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