問 題
図に示す励起 (吸収) 及び蛍光スペクトルに関する次の記述の ㋐ ~ ㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「蛍光物質 A の蛍光顕微鏡観察における励起光は ㋐ 光であり、青の蛍光色を発する。蛍光物質 B は、およそ 500 nm の波長の励起光で励起され、㋑ の蛍光色を発する。蛍光物質 C は、㋒ の吸収及び蛍光スペクトルの特徴を示している。蛍光物質 A,B,C の中で、蛍光顕微鏡で観察した時のバックグランドの影響が最も小さいのは蛍光物質 ㋓ である。」
解 説
㋐ ですが
蛍光物質 A の励起光、つまり点線部分のピークを読むと 大体 360 nm です。紫外線が 380nm 以下、780nm 以上が赤外線なので、㋐ は「紫外」が妥当です。正解は 1 ~ 3 です。
㋑ ですが
「780nm:赤 橙 黄 緑 青 藍 紫 :380nm」 という、波長の大きさと色の順番は基礎知識です。蛍光物質 A が発する蛍光は表より 450nm、これが問題文より 青です。
蛍光物質 B の発する蛍光は 520 ~ 530 nm ぐらいと表より読み取れるため、青よりも赤よりの色です。緑か黄色ぐらいと考えられます。㋑ は「緑」が妥当です。正解は 2 or 3 です。
㋒ ですが
FITC:フルオレセインイソチオシアネート は、黄緑色蛍光を発する蛍光色素です。核酸や抗体、タンパク質などの蛍光ラベルに汎用されます。ローダミンは、アミノフェノール類と無水フタル酸を縮合して得られる鮮紅色の塩基性染料です。蛍光性を示します。
C は蛍光の波長が 600 nm 程度なので、赤に近い色と考えられます。従って、㋒ は「ローダミン B」が妥当です。
これにより、㋓ は A とわかります。ある蛍光物質における最大励起波長と最大蛍光波長間の差をストークスシフトと呼びます。一般的にストークスシフトが大きいほど、バックグランドの影響が小さくなります。
以上より、正解は 2 です。
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