国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問73解説

 問 題     

ヒトの尿素回路に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「アミノ酸の分解で生じるアンモニアの大部分は、グルタミンやアラニンのアミノ基として血流で運ばれ、㋐ の細胞における尿素回路でより毒性の低い尿素に変換される。この反応は、㋐ の細胞の ㋑ で始まり、生じる尿素の窒素原子は、アンモニアと ㋒ に由来する。」

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐、㋑ ですが
アミノ酸の分解における脱アミノ反応は、主に肝臓のミトコンドリア内で行われます。生じたアンモニアは、尿素回路と呼ばれる回路により、人体に無害な尿素に変換されます。㋐ は「肝臓」、㋑ は「ミトコンドリア」です。正解は 2 or 3 です。

㋒ ですが
尿素回路において尿素が切り出されるのがアルギニンからなのでアルギニン由来としたくなる記述です。しかし「生じる窒素原子が何由来か」なので、アンモニアと「アスパラギン酸」が妥当です。リンク先の尿素回路の図をこの機会に確認しておくとよいと思われます。


以上より、正解は 2 です。

参考 アミノ酸分子中の炭素及び窒素代謝
https://yaku-tik.com/yakugaku/sk-4-3-2/

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