問 題
アロステリック酵素に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
㋐ アロステリックエフェクターが結合していない状態では酵素活性を示さず、この状態の酵素はアポ酵素と呼ばれる。
㋑ 基質がアロステリックエフェクターとして作用する場合、ホモトロピックなアロステリック効果と呼ばれる。
㋒ 基質との結合効率が基質濃度の上昇に伴い低下するため、酵素反応速度を基質濃度に対してプロットするとシグモイド曲線を描く。
1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒
正解.3
解 説
㋐ ですが
単独では酵素活性を示さず、補因子を伴って完全な酵素活性を示す酵素について、単独をアポ酵素、補因子を伴ったものをホロ酵素といいます。
一方、アロステリック酵素は、単独で活性を示します。その上で、エフェクターと呼ばれる物質が結合することで酵素活性を促進/抑制するような部位が存在するのが「アロステリック酵素」です。
従って
エフェクター無のアロステリック酵素は「アポ酵素」ではありません。㋐ は誤りです。
㋑ は妥当です。
タンパク質の基質 かつ 活性制御分子 となる場合「ホモトロピック」です。一方、タンパク質の基質ではない活性制御分子による場合は「ヘテロトロピック」といいます。
㋒ ですが
アロステリック酵素といえばシグモイド曲線ですが、これは「基質濃度が低い場合」に反応はあまり進まないが、「ある程度高い基質濃度以上」では、通常の酵素反応より反応がよく進むため S 字型のカーブになります。
「基質との結合効率が基質濃度の上昇に伴い低下する」わけではありません。この場合は単なる頭打ちのカーブになります。㋒ は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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