国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問64解説

 問 題     

鶏卵に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。


㋐ 卵を貯蔵すると、卵殻の気孔を通じて二酸化炭素が抜け出るため、卵白の pH が上昇する。

㋑ オボトランスフェリンは、卵白タンパク質の半分程度を占め、卵白の凝固性の主体となっている。

㋒ 卵の脂質は大部分が卵黄に含まれており、トリアシルグリセロールが主成分である。

㋓ ラテブラは、卵白の中に卵黄の表面から卵の先端及び鈍端に向かって、ねじれたひも状をしている。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当です。
鶏卵の鮮度変化と pH に関する記述です。


㋑ ですが

オボトランスフェリンは、コンアルブミンとも呼ばれる、卵白タンパク質の 12 ~ 13% を占める鉄結合性タンパク質です。記述は「アルブミン」についてと思われます。

オボトランスフェリンも卵白の凝固性に関与しており、60 ℃程度で固まり始めるのは、オボトランスフェリンの変性と対応します。その後 80 ℃ 付近で アルブミンが凝固します。㋑ は誤りです。


㋒ は妥当です。

卵の脂質に関する記述です。


㋓ ですが

ラテブラは「白色卵黄」のことです。卵黄のほぼ中央にあります。記述は「カラザ」についてです。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

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