問 題
エマルションに関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ HLB 値が 10~18 の非イオン性界面活性剤を乳化剤として用いて常温で調製した o/w 型エマルションは、温度の上昇に伴い w/o 型に変化する。
㋑ w/o 型のエマルションはメチレンブルーを加えると全体が着色する。
㋒ 分散相が合一したエマルションは振り混ぜても容易には再分散されない。
㋓ クリーミングを起こさないようにするためには分散媒の粘度を小さくし、分散相粒子の粒子径を大きく、かつ均一にする。
1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓
正解.2
解 説
㋐ は妥当です。
非イオン性界面活性剤は、温度を上げていくとやがて水素結合が切れて溶解度が急激に減少します。この温度が曇点 (どんてん) です。o/w と w/o が変化することを転相といいます。
㋑ ですが
o/w は、外側が水なので、水溶性色素、すなわちメチレンブルーやメチルオレンジで染まります。w/o ではありません。ちなみに、w/o は ズダンⅢ(赤色)で染まります。㋑ は誤りです。
㋒ は妥当です。
合一とは、液滴同士が付着し、さらに融合することです。合一が進行すると、再振とうしても、一つ一つの液滴が大きくなっているので再分散しません。振とうすれば再分散するのは、クリーミング(単に層状に分離した状態のこと)です。
㋓ ですが
クリーミングの基礎となる Stokes の式より、分散媒の粘度は大きく、粒子径は小さくすることがクリーミング抑制には有効です。㋓ は誤りです。
以上より、正解は 2 です。
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