国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問51解説

 問 題     

泌尿器・生殖器作用薬に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。


㋐ シルデナフィルはコリンエステラーゼ阻害薬であり、cGMP 分解を阻害してその濃度を増加させることで血管拡張作用を示し、勃起不全治療薬として用いられる。

㋑ トルテロジンは、ムスカリン受容体拮抗作用を示し、過活動性膀胱の治療に用いられる。

㋒ トルバプタンは、バソプレシン V2 受容体拮抗作用を示し、水の排泄を増加させて利尿を起こす。

㋓ シロドシンは下垂体後葉ホルモンであり、視床下部神経核で生成され、子宮収縮薬として作用する。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
シルデナフィルは、ホスホジエステラーゼ (PDE) 5 を阻害し、cGMP の分解を抑制することで勃起障害、及び肺動脈性高血圧症に用いられる薬です。コリンエステラーゼ阻害薬ではありません。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
過活動性膀胱治療薬のトルテロジンについての記述です。

㋒ は妥当です。
非ペプチド性バソプレシン受容体拮抗薬であるトルバプタンについての記述です。

㋓ ですが
下垂体後葉ホルモンといえばバソプレシン、オキシトシンです。シロドシンは α1 アドレナリン受容体拮抗薬です。前立腺肥大症治療などに用いられます。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 4 です。

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