国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問48解説

 問 題     

てんかんとその治療薬に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。


㋐ てんかんでは、脳の神経細胞の過剰な興奮に伴って意識消失やけいれんなどの発作が起こる。

㋑ てんかんの 80 % 以上は、遺伝的な要因によって起こることが知られている。

㋒ 神経細胞における Na+ チャネル阻害作用をもつカルバマゼピンは、欠神発作に対して用いられる。

㋓ レベチラセタムは、シナプス小胞タンパク質 2A と結合してグルタミン酸遊離を抑制する。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ は妥当です。
てんかんの症状についての記述です。

㋑ ですが
てんかん発症の要因として、多くの場合で遺伝子の関与は大きくありません。「80% 以上は、遺伝的な要因によって起こる」という記述は明らかに不適切です。㋑ は誤りです。

㋒ ですが
カルバマゼピンは Na チャネル遮断を通じて抗てんかん作用を示します。本試験時点において、特発性部分てんかんに対する第一選択薬です。欠神発作について、ガバペンチン、カルバマゼピン、フェニトインは発作の増悪が知られており、用いません。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当です。
レベチラセタムについての記述です。


以上より、正解は 3 です。

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