国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問46解説

 問 題     

アミノ酸及びペプチドに関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 次の反応で合成されるアミノ酸 C はアラニンである。

㋑ 次に示すアスパルテームの構造には、D 体のアミノ酸が含まれている。

㋒ グルタチオンは、次の反応により生体内で還元剤として働く。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
A → B の反応における試薬「C6H5CH2ーBr」が SN2 反応をおこします。この部分がアミノ酸の側鎖と対応するため、合成されるのは「フェニルアラニン」です。アラニンではありません。アラニン合成であれば、例えば 代わりに CH3I を用いればアラニンを作れます。㋐ は誤りです。

㋑ ですが
アスパルテームは「L – フェニルアラニン のメチルエステル」と「L – アスパラギン酸」のジペプチドです。D 体のアミノ酸は含まれていません。ちなみにですが、本試験時点において、人の体を構成するタンパク質合成に用いられるアミノ酸は全て L 体として知られています。㋑ は誤りです。

㋒ は妥当です。
グルタチオンについての記述です。


以上より、正解は 5 です。

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