問 題
次の反応式は、水中におけるフルクトースの平衡を示したものである。記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ A は β ‒ D ‒ フルクトフラノースである。
㋑ B はケトン基を含む鎖状の分子である。
㋒ A と C は互いにアノマーである。
㋓ D は B からケト‒エノール互変異性体を経て生成する。
1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓
正解.3
解 説
㋐ ですが
A は「α」- D – フルクトフラノースです。α と β の違いは、右端の OH 基が 下向きであれば α です。逆だと β です。㋐ は誤りです。
㋑ は妥当です。
B は鎖状構造のフルクトースです。
㋒ は妥当です。
アノマーとは、糖が 5 or 6 員環の環状構造を形成する際に生じる 2 種類の立体異性体同士の関係のことです。鎖状構造の時には不斉炭素ではないが、環状構造の時に不斉炭素になる C をアノマー炭素といい、不斉炭素ができるために生じる 異性体同士の関係がアノマーです。
㋓ ですが
鎖状構造の C = O 基に、末端の OH 基が攻撃して環化します。「ケト ‒ エノール互変異性体を経て」ではありません。㋓ は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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