国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問45解説

 問 題     

次の反応式は、水中におけるフルクトースの平衡を示したものである。記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ A は β ‒ D ‒ フルクトフラノースである。

㋑ B はケトン基を含む鎖状の分子である。

㋒ A と C は互いにアノマーである。

㋓ D は B からケト‒エノール互変異性体を経て生成する。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
A は「α」- D – フルクトフラノースです。α と β の違いは、右端の OH 基が 下向きであれば α です。逆だと β です。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
B は鎖状構造のフルクトースです。

㋒ は妥当です。
アノマーとは、糖が 5 or 6 員環の環状構造を形成する際に生じる 2 種類の立体異性体同士の関係のことです。鎖状構造の時には不斉炭素ではないが、環状構造の時に不斉炭素になる C をアノマー炭素といい、不斉炭素ができるために生じる 異性体同士の関係がアノマーです。

㋓ ですが
鎖状構造の C = O 基に、末端の OH 基が攻撃して環化します。「ケト ‒ エノール互変異性体を経て」ではありません。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 3 です。

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