国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問40解説

 問 題     

連続槽型反応器 (CSTR) と管型反応器 (PFR) から二つを選び直列に接続することで、液相でのブタンの異性化反応 (n ‒ C4H10 → i ‒ C4H10) を行う反応器全体の容積の最小化を行いたい。

図Ⅰ、Ⅱ、Ⅲは、原料液流量 v0 = 1.35 × 10-3 m3・s-1,原料初期濃度 CA0 = 1.03 × 103 mol・m-3 のときの反応物の反応率 (転化率) xA と反応速度 rA の関係を示しており、またそれぞれ図中の斜線部は反応器全体の容積を表している。

 

xA = 0.65 を得るのに必要な反応器全体の容積が最小となるように反応器を直列接続したときの、反応器全体の容積を表す図と反応器の接続順の組合せとして最も妥当なのはどれか。ただし、原料は第1 段の入口から投入されるものとする。

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

n – ブタンは直鎖の C4H10
i – ブタンは枝分かれしたイソブタンです。

空間時間 τ = V/v0
横軸に XA、縦軸に -CA0/rA をとった時に
CSTR であれば 長方形
PFR であれば 積分値 であることが基礎知識です。

図Ⅰは 第 1 段、第 2 段 共に CSTR
図Ⅱは 第 1 段が CSTR、第 2 段が PFR
図Ⅲは 第 1 段、第 2 段 共に PFR です。


本問では縦軸を修正してくれていて
空間時間に対応する部分がそのまま体積となっています。

つまり
斜線部分の面積が小さい方を選んでいけばよいということです。


第 1 段においては CSTR < PFR です。

従って
第 1 段は CSTR が妥当です。正解は 1 or 3 です。


同様に見れば
第 2 段においては PFR < CSTR です。

従って
斜線部の面積の和が最小になるのは図Ⅱです。


以上より、正解は 3 です。

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