問 題
石油に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
㋐ 炭化水素と水蒸気を触媒存在下で同時に加熱することにより水素を製造する方法を、水蒸気改質法と呼ぶ。触媒にはニッケル系触媒などが使用されている。
㋑ 原油は、常圧蒸留により沸点に応じて各留分に分けられる。これらのうち、軽質ナフサはエチレンなどの石油化学原料として、重質ナフサは改質されたのちガソリンとして利用される。
㋒ 石油の分解法として、熱分解や接触分解などが挙げられる。熱分解では主にカルボカチオンが生成し、接触分解では主にラジカルが生成することで分解が進行する。
㋓ 炭素数が等しいとき、枝分かれのある炭化水素や芳香族炭化水素は、直鎖状の炭化水素と比べてオクタン価が低く、ノッキングが起きやすくなる。
1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑、㋒
4.㋒、㋓
5.㋓
正解.2
解 説
㋐ は妥当です。
水蒸気改質法についての記述です。
㋑ は妥当です。
原油の留分におけるナフサについての記述です。
㋒ ですが
熱分解では主にラジカルが生成し、接触分解では主にカルボカチオンが生成します。逆になっており、㋒ は誤りです。
㋓ ですが
オクタン価は、ノッキングの起こりにくさを表します。オクタン価が高いとノッキングが起こりづらいです。
オクタン価はイソオクタンという「枝分かれが多い炭化水素」を 100 とした値です。イソオクタンがとてもオクタン価が高く、ノッキングが起こりづらい炭化水素です。そのため「枝分かれのある炭化水素…は、…オクタン価が低く」という記述は妥当ではありません。㋓ は誤りです。
以上より、正解は 2 です。
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