国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問26解説

 問 題     

濃度が 0.50 mol・L-1 の硝酸銀水溶液 100 mL に銅板を浸して反応させた。反応前の銅板の質量に対して、反応後の質量は 0.76 g 増加した。このとき、未反応の銀イオンの濃度として最も妥当なのはどれか。ただし、Cu,Ag の原子量はそれぞれ 63.5,108 とし、反応の前後で溶液の体積は変化しないものとする。

1. 0.29 mol・L-1
2. 0.35 mol・L-1
3. 0.40 mol・L-1
4. 0.43 mol・L-1
5. 0.47 mol・L-1

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

【反応前】
硝酸銀溶液中には
0.50 mol/L × 0.1 L = 0.05 mol の Ag+ イオンがあります。


【反応後】
増えた質量は
「失われた 銅の質量」と「生成した銀の質量」の差です。

Cu → Cu2+ + 2e
Ag + e → Ag

より、銅が 1 mol 失われると 銀が 2 mol 生成されます。

つまり 銀 +216 と銅 -63.5 が対応して
→ 正味増える質量 152.5 という比が成り立ちます。


本問では、0.76g 増加しているため
生成した銀は 0.76 × (216/152.5) g ≒ 1g です。
ほぼ 銀 0.01 mol と評価できます。


従って、反応後
銀イオンは 0.05 – 0.01 = 0.04 mol (in 100mL) です。

単位を mol/L になおせば
未反応の銀イオンの濃度は 0.4 mol/L となります。


以上より、正解は 3 です。

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