国家公務員総合職（化学・生物・薬学）R5年 問23解説

　問 題　　　　　

圧力 P、体積 V、温度 T における物質量 n の理想気体について、次の二つの式で表される物理量 A と B があるとする。

物理量 A と B それぞれの圧力、体積及び温度に対する依存性の組合せとして最も妥当なのはどれか。

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

【物理量 A について】
理想気体 なので PV = nRT です。
V = nRT/P…(1) だから、(1) の左辺を V/1 と見て、分母・分子を両辺入れ替えれば「1/V = P/nRT」です。

また (1) の両辺を P を定数として T で微分すれば
(dV/dT)_P = nR/P です。

これをふまえると
A = (P/nRT) × nR/P　つまり
A = 1/T なので「温度に反比例する」が妥当です。

【物理量 B について】
物理量 A と同様に考えていけば
「1/V = P/nRT」です。

(1) の両辺を T を定数として P で微分すれば
(dV/dP)_T = -nRT/P² です。

これをふまえると
B = (P/nRT) × -nRT/P²　つまり
B = -1/P なので「圧力に反比例する」が妥当です。

以上より、正解は 3 です。